廃校を人が集まる「場」へと再生したい!仕事ごと移住する「うらほろ廃校サテライトオフィス計画 」とは?

地方の人口減少、少子化。その課題の裏で増えつつあるのが『廃校』。昨今、日本各地で廃校を活用しようという動きが起きています。ここ十勝の南にある浦幌町(うらほろちょう)でも廃校をサテライトオフィスとして再生させるプロジェクトが始まっているそう。私自身、母校が廃校してしまったというちょっぴり寂しい経験をしている大樹町地域おこし協力隊の中神美佳(なかがみ)が、廃校活用の新たな動きについて取材しました!

「移住するなら、仕事ごと持ってくる」

サテライトオフィスとは、勤務者が遠隔勤務をできるよう通信設備を整えたオフィスであり、東京や大阪など大都市に本社を置く企業の支社を地方に置くこと。地方の古民家や旅館跡などをサテライトオフィスとして活用する事例もでてきています。IT技術の進化により、パソコン1台でどこでも仕事ができる環境が整い始め、「場所を選ばずに働ける時代」になりました。

しかし、そもそもなぜ浦幌町は廃校をサテライトオフィスとして活用しようと考えたのでしょうか?

その経緯を「うらほろ廃校サテライトオフィス計画」の仕掛け人である浦幌町役場まちづくり政策課の川上信義さんにお話を聞いてみました。

 

――― そもそも、どうして廃校をサテライトオフィスにしようと思ったのですか?

浦幌町役場 川上さん:浦幌町では長年「うらほろスタイル」という子供達の町への愛着を育み、若者が帰ってきやすいまちづくりの活動を進めてきました。若者が帰ってきやすい環境にしようといったときに、よく言われるのは「若者の仕事の場をつくる」という話。たしかに仕事をつくって人を迎え入れるという場合もあるけれど、私たちの場合は「仕事自体を持ってきてもらおう」という発想です。

――― なるほど。なぜそういう発想が生まれたのでしょう?

浦幌町役場 川上さん:昔サテライトオフィスの視察で徳島県美波町という町を訪れたのですが、そこがとっても心地よかったんですよね(笑)宿の人に「ここに住みたいなあ」と話していたら「じゃあ仕事もってきてね」と言われたんです。なるほど、そういう(移住するなら仕事ごと持ってくるという)考え方なんだなあと思いましたね。企業誘致をして雇用を生み出す、というのは今の時代はちょっと違う気がしています。

 

浦幌町役場 川上さん:町には遊休施設や空き物件もあるので、既に都会で行っている仕事ごと町に持ち込んで、空き物件を事務所として使っていただくとか。手に職のある人が町にきて、空き物件を使うというのが早いんじゃないかなと思っています。浦幌町は町の規模のわりに飲食店が多いのですが、みなさん高齢化しているんです。「そろそろ辞めたい」とつぶやく人もいます。飲食店をやりたい人が来てくれたらすぐさまマッチングしますね(笑)

町の中心部から車で5分の好アクセス!趣のある平屋の廃校に潜入!

サテライトオフィスとして活用しようと考えている廃校、旧常室小学校(とこむろしょうがっこう)を案内してくれたのは、浦幌町地域おこし協力隊の森 健太(略してもりけん)さん!満面の笑顔で迎えてくれました!

常室小学校は、町内中心部から北へ車で約5分の場所にあり、意外とアクセス良好!

約100年前に寺子屋として創立された学校で、「浦幌町教育発祥の地」であり、地元の方にとって思い入れのある場所の一つです。建物は32年前に建てられましたが、室内は12年前に廃校になったとは思えないほどとても綺麗。

2016年は夏の間、サテライトオフィスの実証実験をここ常室小学校で行いました。

 

――― ここ、もりけんさんが掃除や備品の準備をしたんですか?

もりけんさん:そうですね!他の地域おこし協力隊と連携しながら、まずは掃除から始めて、次に他地域の廃校から集めた教員机と椅子を搬入しました。町民の方から使わなくなった家具や冷蔵庫などをいただきながら、準備していきましたね!

教室の窓の外の風景。癒され度が半端ない!!

――― おおー!頑張りましたね(笑)!インターネット環境や校舎の間取りはどのようになっていますか?

もりけんさん:インターネット(Wi-Fi)は完備、全室で使える環境になっています。仕事に集中するオフィススペース以外にもミーティングルームなどもありますし、食事や休憩ができるような共有スペースもあります。

夏場の実証実験ではフリーライターの夫婦がステイ!

今年の夏場に行った実証実験では、9月にフリーライターのご夫婦が浦幌町にやってきたそう。お二人ともフリーライターで、出版物やインターネット記事を執筆・編集・企画されています。滞在期間は都内の仕事を浦幌町に持ち込んでいただき、仕事に支障はないか、生活環境は整っているかをモニターとして体験していただきました。

また、8月には建築関係の学生を集めてサテライトオフィス以外の常室小学校活用方法を考えるというワークショップも開催。観光の拠点、宿泊施設、壁をいさぎよくとっぱらって地域の食堂にしようなど、多種多様なアイディアが集まりました。

 

浦幌町役場 川上さん:学生さん達が(常室小学校を)使っていていいなあと思ったのが、「地域に活気が戻る」ということ。学校の中に活気が戻るというのはもちろん、学生が地域を歩いたり遊んでいる姿を見ると、「妙に活気づいている」「うちの町も捨てたもんじゃないな」と思えてくる(笑)。町の将来性を感じますよね。

 

浦幌町役場 川上さん:常室小学校は、サテライトオフィスのように社会人の仕事の場として活用されることはもちろんですが、学生や子ども達が集まって勉強をしたり、ものづくりをするような使われ方もされると良いと思っています。地域の多様なひとが集まり、交流する場になっていくと嬉しいですね。

 

今年の実証実験を踏まえて、来年度以降の本格稼働に向けて準備が始まっているうらほろ廃校サテライトオフィスプロジェクト。今後の展開に目が離せません!

うらほろ廃校サテライトオフィス計画

【問い合わせ先】

うらほろスタイル推進地域協議会(担当:三村/森)

TEL:089-578-7180

Mail:mimura@urahoro-style.jp (三村)

mrkn25@urahoro-style.jp(森)

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