【前編】「芽室町は子育て支援が充実しているらしい」という噂は本当でした!その全容を徹底解説します!

十勝19市町村の自治体が持つ課題に対してアイデアを出し、その後にみんなで十勝の食材を料理して食べようというイベント「とかちアイデアキッチンプロジェクト」[https://www.facebook.com/tokachiideakitchen/]。2016年8月に東京・四谷で行われた第1回目の課題は、「芽室町(めむろちょう)が子育ての町であることをPRするキャッチフレーズを考える」でした。
イベントでは参加者の皆さんのブレストにより数多くのアイデアが生まれました(詳細はイベント記事に→https://tokacheers.com/article/496)。その後、集まったアイデアたちがどうなったのか?イベント後のレポートも兼ねて、お題にもなった“芽室町の子育て支援の充実ぶり”について詳しくお伝えします。

子育ての町をPRするキャッチフレーズとは?

「とかちアイデアキッチンプロジェクト」で集まった“子育ての町をPRするキャッチフレーズ”はおよそ20。イベント終了後、それらのアイデアはしっかりと芽室町にお届けしました。ご対応くださったのは、子育て支援課の有本和晃さん。

「私たちではなかなか思い浮かばないようなアイデアがいくつもあって面白いですし、感心しました。今後、町の看板に入れてみるなど、効果的に使わせていただける方法を考えているところです」とのことで、子育て支援課ほか町役場の方々の中で、キャッチフレーズを使った町のPR方法をいろいろと画策してくださっているようです。今後、イベント参加者の皆さんが出したキャッチフレーズを実際に目にする機会もありそうです。楽しみですね。

芽室町の子育て支援の中身とは?

「芽室町は子育ての町」。そうPRする町の支援とは、いったいどれほど充実しているものなのか? 今回あらためて取材してきました。

取材者が特に「これはすごい」と思った点は4つ

⚫とにかく町長の本気度がハンパない!

⚫️行政・病院・学校など、横の連携がバッチリ

⚫️お母さんのリフレッシュも積極的に応援

⚫️子育てに大変便利な2つの冊子を配布

他にも子育てに嬉しい制度、支援などがたくさんあります。では、もったいぶらずに詳しくご紹介しましょう!

 

<芽室町が子育てのサポートに積極的な理由は?>

・そもそも芽室町ってどんな所?

芽室町は、十勝の中心・帯広市に隣接する人口1.8万人の大変コンパクトな町です。雄大な日高山脈をバックに緑の畑が広がり、夏は公園や川、冬はスキー場が開設され、子供も大人も、大自然を満喫できるエリアにあります。市街地は大型スーパーと芽室駅、病院、公共施設が車で数分の範囲に集中しています。

・町長の大号令で始まった支援強化

2006年に芽室町の町長に就任した宮西義憲さんは、まず前町長の願いを引き継ぐ形で自治体独自の条例としては珍しい「こどもの権利に関する条例」の運用を充実しました。その後2008年には子育て支援課を設置、翌年には発達支援システムをスタート。選挙時にマニフェストの柱とした「子育てママの支援」と「特別支援」を就任以降、町職員の方々と一緒に一つ一つ確実に、しかもスピーディに実現させてきました。

 

<芽室町ならではの子育て支援>

1.十勝の町村では唯一「産科」のある町

2006年にWHOとユニセフから「赤ちゃんに優しい病院」として認定された公立芽室病院では、現在1人の産科医と2人の小児科医が勤務しています。十勝の中でも帯広市以外に産科がある自治体は芽室町だけ。病院には保健師が足を運んで妊婦さんや生まれた子供の様子を確認するなどして、普段から行政と病院が情報の共有に努めています。取材中に「町内に住むほとんどの子供の顔がわかりますよ〜」という子育て支援課の方の言葉が自然に出てきたことに驚き、赤ちゃんの時から関わりを持っている同町の行き届いた支援体制ならではの自信を感じました。

2.気兼ねなく利用できる一時預かり

芽室町では保健福祉センター内で月曜日の10時〜13時まで低料金の託児サービスが受けられます。どのような条件で使えるのかと尋ねてみると、「仕事や用事などがなくても、美容室に行きたい、たまには子供と離れたい、といった理由で大丈夫です。面倒な手続きもありません」との事。子供を育てている取材者が「でも自分のために子供を預けるって罪悪感があるのですが…」とつい本音をぶつけてみたところ、「お母さんの元気が一番ですから!」と笑顔が返ってきました。また、同町には有償ボランティアに子供を預けられるファミリーサポート制度があります。平成26年の記録では芽室町で合計580時間、平成27年では965時間の利用があり、子育て世代に対する助け合いの輪が広がっていることが伺えます。「ほんの少しでいいから、自分の時間が欲しい」というお母さんの願いをドドン!と受け止めてくれるこの2つの頼もしい制度は、ぜひ利用してみたいものです。

 

3.便利な2つの冊子を配布

芽室町では母子手帳の発行時に「すっくすくめむろ」と「めむたっち」という冊子をお母さん全員に渡しています。芽室町子育てガイド「すっくすくめむろ」は妊婦教室から保育園情報・医療機関情報・公園の情報などなど、子育て中の家庭に役立つ情報を余す事なく紹介しています。また、芽室町子育てサポートファイル「めむたっち」は、大変珍しい「バインダー式」の記録簿です。すでに挟まれているA4サイズの書き込み式ページに、ちいさな母子手帳には書ききれない発育の様子、歯科の記録、体重管理などを細かく記録できるようになっています。バインダー式なので、病院の検査結果なども綴る事ができます。子供に関わる書類は案外多いものなので、バインダー式はとても使いやすいこと間違いありません。取材したライター自身も「資料として貰ったけども、あまりに便利なので返したくない、自分で使いたい!」と思ってしまうほど、何気ない気配りの詰まった冊子です。
(→発達障害の子供にも使い易い「めむたっち」については
【後編】https://tokacheers.com/article/1540 をご覧ください)

 

4.どこに相談しても「繋がる」

子育て中のお母さんは相談したいことをたくさん抱えています。芽室町では健診の際だけでなく、保健福祉センター 、子育て支援課など、どこに相談してもお母さんの困りごとを適切な部署や専門スタッフにつないで支援が途切れないように取り組んでいます。コンパクトな町なので町民との距離も近く、相談しやすい環境というのも子育てに優しい町、と言われる理由の一つです。日頃から行政の職員が学校に足を運んだり、関係機関と連絡を密にしているのも、スムーズなきめ細かい支援の秘訣のようです。

 

5.待機児童は0人!保育施設や教育機関も充実

芽室町の待機児童はなんと「0人」。入園先を選り好みしなければお母さんは日中に子供を預けて働くことができます。街中の認可保育園は2箇所、認可外保育施設が1箇所、農村地域保育所は5箇所、小学校4校と中学校3校、高校2校と、小さい町ながら教育機関は十分な数があります。芽室町の保育施設や支援センターなどは、比較的建物が新しく、ハード面も充実しています。

 

6.整備された公園がたくさん

取材中、Uターン経験者であり現在は子育て支援課で働いている有本さんが「私の一番オススメは整備された公園なんですよ」とコッソリ教えてくれました。芽室町には至る所に公園があり、ボランティアの方々の助けもあって、どこの公園もいつも綺麗に整備されているそうです。特に芽室町最大の公園である「芽室公園」は敷地面積20ヘクタールという、(全く想像できない単位で紹介されるほどの)大変大きな公園で、その充実した内容から十勝の各地域から子供を連れてくる親がたくさんいます。さらに移住者からは「芽室町内の歩道が広いので公園にいくまでに(車との接触などを気にして)気合を入れなくて良い」という感想が寄せられたそうです。

不登校をそのままにしない町

現・芽室町長、宮西さんは教育長として働いていた際に、小学生ぐらいの子供が本来は学校に通っているはずの時間に図書館にほぼ毎日いることに気付きました。「あの子はどうしたの?」と周囲に聞いたところ「不登校です」とあっさりとした返事がきたことに宮西さんは大変ショックを受けました。不登校の子供がいる、という事よりも「不登校を周りが当たり前のように受け止めている」という現実に立ち向かうべく、宮西さんはすぐにスクールカウンセラーを配置、不登校対策室も設置しました。不登校は以前から全国各地で問題となっていましたが、多くの大人は「どうにもならない問題」として諦めてしまいがちです。しかし、芽室町では今もなお「解決すべき問題」として、現場の理解不足の是正や子供のフォローに力を入れています。

子供が暮らしやすい町からもう一歩先へ

子供たちは将来の税金の担い手です。子供が暮らしやすい町は、高齢者にとっても嬉しい町でもあります。ところが、本気で少子化の課題に取り組んでいる自治体はさほど多くありません。都会であれば待機児童問題など、十分な子育て支援が得られない地域も多いことでしょう。しかし今の芽室町には後手の対応ではなく、少子化に対して先手を打つ行動力が備わっています。加えて、芽室町ではさらに進んだ「障害のある方も含めた誰にでもやさしいまちづくり」もスタートしています。
(→障害者にもやさしいまちづくりの記事は
【後編】https://tokacheers.com/article/1540 をご覧ください)

取材を終えて〜支援が充実している本当の理由〜

今回の取材では子育て支援に関わる3人の方に取材を受けていただきました。上司・部下・職種などの垣根なく話し合っている姿を見て、取材者は「子供のために、と職員がお互いの立場に関係なく一丸となってくれる、というのが芽室町が子育てに優しいと言われる一番の理由かもしれない…」と考えました。どれだけ充実した制度も結局「人」が運用するもの。芽室町長の熱い想いがなければ、また、現場の方の意識が高くなければ「子どもにやさしいまち」という良い評価になりません。さらには、町民の理解がなければ子育てに優しいまちづくりも進みません。行政と町民が一緒に作り上げたこの素晴らしい子育て支援の輪が、今後どのような広がりを見せるのかが楽しみです。

子育て中または子供の計画を考えているご夫婦は、ぜひ移住候補リストのひとつに芽室町を加え、観光ついでに一度遊びに来てください。芽室町で生産されたじゃがいもを使った料理や、地域グルメとして人気の「コーンチャーハン」は絶品ですよ! (取材・文 石川伸子、大熊千砂都)

 

<問い合わせ先>
・芽室町役場 子育て支援課
〒082-8651 北海道河西郡芽室町東2条2丁目14
TEL 0155-62-9733

※芽室町の子育て支援ほか各種サポート制度の情報はこちらをご覧ください
https://tokacheers.com/support/town/memurocho.html

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