【後編】なぜ北海道で農業インターン?農作業や共同生活を通して、学生たちが見つけたものとは?

2000年から始まり、今年が17回目の「北海道農業インターン」。これまでの延べ参加者は1,200名を超える、人気のインターンシップです。この回では、8月4日〜19日で参加した学生のみなさんにインタビューをした内容を紹介します。なぜ彼らは大学時代の夏休みに、北海道十勝で農業インターンをしてみようと思ったのでしょう?

農業への興味。自分を見つめ直す機会。とにかく「何か」をしたい・・・参加の動機はなんだっていいんです

「北海道農業インターン」に参加した学生さんに取材をするため訪れたのは、帯広市内にあるアグリファッショングループの「十勝ガールズ農場」。「十勝ガールズ農場」は20代の女性3人が新規就農して話題になった農場で、多品種少量生産の農業スタイルに取り組んでいます。

今回はここ「十勝ガールズ農場」で農業インターンをしている4名の学生さんにインタビュー。芦澤万里音さん(通称まり姉、大学4年、札幌在住)、横山雛子さん(通称ひな、大学1年、札幌在住)、若山翔太さん(通称しょうた、大学4年、大阪在住)、坂田 陸さん(通称りく、大学2年、埼玉在住)の4名に、午後の農作業の合間の休憩時間にお話を伺いました!

―― みなさんはどうして「北海道農業インターン」に参加しようと思ったのですか?

芦澤さん「来年から就職なので、就職する前に自分を見つめ直してみたいなと思って。自分のあり方を考える機会や時間がプログラムに組み込まれていたので良いなと思いました。一緒に共同生活をしているメンバーと自分のあり方について語る時間が多いのもとても良いですね。」

若山さん「私は1年生の時から農業をやってみたかったんです。農業をやるなら北海道だと直感的に思ってました。最初はWWOOFでやろうと思ったのですが、1人でもくもくと農業をやるだけになるなと。せっかくなら色んな人と一緒に農業を体感できた方が得られるものがありそうだと思いました。」

じゃがいもの収穫風景。広大な畑が十勝らしい。

坂田さん「僕の場合は、大した理由じゃないですよ(笑)大学1年の時にダラダラと過ごしていて、今は2年なんですけど、来年は企業のインターンが始まる訳で。2年生のこのタイミングでそろそろ先のことを考えなきゃ。何かしなきゃって。賢者屋(学生限定の無料シェアスペース https://www.facebook.com/kenjaya20130707)で知り合った人からこのプログラムを教えてもらって。何かをやるかも定まっていなかったけれど、何か動いてみたかったので、流れにのってみようかなと。」

どんな心持ちで来てもいい。どんな目的でも、必ず「何か」をみつけられるから。

―― 農業への興味や自分を見つめるためという動機もあれば、なんとなく参加してみようみたいな柔らかい動機もあっていいですね。参加の理由は人それぞれ。みなさんは、実際にインターンに参加してみてどうでしたか?

芦澤さん「私は自分を見つめ直すために参加したんですが、たくさん考える時間がありました。農作業中は作業をしながらじっくり自分と対話ができるし、共同生活をしているメンバーとの会話や、プログラムに組み込まれている時間とか。」

若山さん「僕はとにかく眠いです(笑)朝4半からなので。朝は4時半〜9時まで、合間に3時間休憩をして、12時〜16時まで作業って感じですね。僕は農業に興味があって参加したんですけど、思ったよりも辛かった。それに農家の人はこの期間は休みなし。僕らは休憩があるけれど、農家さんは僕らが寝ている間も働いている。農業のリアルを知ることができたのは大きかった。」

芦澤さん「あと共同生活が思い出深いですね。自分は集団生活が得意じゃなかったんですけど、参加者みんな良い人が多かった。真剣に語り合いたいという思いで来ているので、沢山話ができました。自分はこういう性格で〜とか、生いたちの話をしたり。あと就職の悩みとか。普段は人とオープンに話ができるようになるまですごく時間がかかるのに、今回は1週間くらいで打ち解けられました。毎日19時間も一緒にいるので(笑)」

若山さん「1人部屋に5人で寝てるしね(笑)部屋も雑魚寝だし。」

坂田さん「いろんな意味で密度が濃いよな。人口密度が濃い。過ごした時間も濃い。」

一同「たしかに!うまい!(笑)」

横山さん「毎晩、夕食をたべた後にフィードバックの時間があるんです。メンバー同士で相手に対して思ったことを伝えた合う時間です。私は人とコミュニケーションをとることに苦手意識があって。でもその(フィードバックの)時間に、メンバーから「質問をされて、嫌がる人はいないよ。積極的に話して大丈夫なんだよ」と言ってもらえて。周りの友達とこういう話をすることがないので、とても新鮮でした。」

山内さん「ひなとりくは、見た目からして本当に変わりましたよ。はじけたような感じ。発する空気やオーラーに活気が出たというか、本当に変わりましたね。」

りくさん「ふっきれたんですよね(笑)共同生活をしているとプライベートな部分に人がズカズカと入ってくるので。周りを気にしていると精神的にもたない。コミュニケーションにおいて無駄な遠慮がなくなりました。」

催事に出す野菜のギフトを詰め合わせ

見てかわいい、食べておいしい野菜のギフト

通常ならハネられてしまう小さな野菜も、漏れなく使うガールズ農場

 

―― みなさんが本当に充実した時間が過ごせたことが言葉や表情からも伝わりました!これから農業インターンに参加する学生たちに伝えたいことはありますか?

若山さん「とにかく楽しんでほしい!あと、しっかり本音を言うこと。本音が言いやすい環境だから、この環境を最大限に活かしてほしい。」

坂田さん「どんな心持ちできてもいいと思う。僕なんて、初日になんでこのプログラムに申し込んだんだろうって、うわー面倒くさいと思ってたくらいですけど(笑)でも、申し込んだ時にやってみようと思ったんだから、やった方がよいんだなと。来て数日はずっと嫌だし無気力だったけれど、段々嫌じゃなくなりましたよ(笑)やっぱりやってよかったかな。」

芦澤さん「それぞれが違う目的をもって参加してくるけど、このインターンを自分のために活用したいという点では同じ。動機がみんな前向きなので、参加していて気持ちがよかったです。」

横山さん「私はこのインターン中に、自分の本音を言えたし、素の自分を人に見せることができました。何か変わりたい、自分を変えたいって人はきっと良い機会になると思います。これまで生きてきた夏休みの中で一番濃い夏休みでした!」

赤くて珍しいレッドムーンというじゃがいも。珍しい野菜に出会えるのも農業王国十勝ならでは。

―― 学生のみなさんを受け入れている十勝ガールズ農場の澤居さん。この農業インターンの約2週間で感じていることがあれば教えてください。

澤居さん「学生のみんなが、自分たちが変われたと自覚を持ってくれたのがすごくいいなと思ってます。共同生活は面倒臭いことも多いじゃないですか。誰々がつくる料理がめちゃくちゃまずいとか(笑)。でも人との付き合い方を学ぶ良い場だと思うんですよ。自分の意見をどうやったら伝えられるかとか、言い回しを色々変えてみたり。良い意味で社会での気の使い方が学べたんじゃないかなと思います」

澤居さん「農業においても、朝が早いとか思っていたよりも辛いとかリアルを知ってもらえたことはよかった。農作業は考えることが大事なんです。どうやったら短時間でより多く収穫できるか、効率的にできるか。みんなもどうやったら自分のレベルを上げられるかと考えるようになっていった。みんなの変化を見られたし、私自身もとても楽しかったです。良い2週間でした。」

十勝ガールズ農場の農場長 澤居さん。学生さんから程よくいじられるかわいくも逞しいキャラクターで、現場はいつもにぎやか。

取材を行ったのは最終日の前日。作物の収穫作業や梱包作業もお互いに声を掛け合ったり冗談を言い合ったりと終始にぎやかで笑いが絶えない現場でした。取材中に興味深かったのは、コミュニケーションの節々でお互い変な遠慮が見えないこと。それぞれが自分らしく振舞って、それを周りもすっと受け入れている。そんな関係性が見ていてとても気持ちがよかったのです。

 

山内さん 「農業インターンの卒業生同士の交流もありますよ。関西や関東のお祭りで自分たちがお世話になった農家さんの長芋やメークインを仕入れて売ったり、なかにはインターンで知り合った仲間同士でルームシェアをしている子達もいます。インターンで知り合った仲間や、インターンをきっかけに芽生えた十勝のために何かしたいという想いは、きっと彼らの資産になると思います。」

参加の動機は何だって構いません。この記事を読んで少しでもピンと来た方は「北海道農業インターン」に参加してみては?必ず「何か」、得るものがあるはずです。

 

(取材・文  中神 美佳)

 

 

北海道農業インターン

■URL:http://nougyou-intern.com/

■問い合わせ:tasukillp@gmail.com

■主催:TASUKI有限責任事業組合

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